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散歩型紀行番組

2016年06月03日

散歩型紀行番組には、ちぃ散歩→ゆう散歩、ぶらり途中下車の旅、モヤモヤさまぁ~ず、と言った番組がありますが、番組のコンセプトや予算、取材力、交渉力などには、それぞれに違いがあります。

ブラタモリは、取材先やテーマの設定が、実にNHK的。真面目で事前リサーチ、事前交渉が綿密で、撮影も大人数。アドリブの余地の少ない条件下でも、しっかりキャラを生かして存在感の大きいタモリもすごい。こういう番組にありがちな、事前にお膳立てされた内容をトレースするだけの語りで終わらせない点は、タモリの博識と話術の実力を感じます。

「ぶらり」でも「モヤさま」でも、「出会い」を演出しつつも、制作側の事前交渉やお膳立ての中で出演者が立ち振る舞っているのが見えてしまいます。
それに、NHKは情報の質、量ともに圧倒的。リサーチがしっかりしていて、交渉力もあるので、「特別に見せていただく」と言う場面が多い。さすが!と言う実力です。

私は2009年まで首都圏ローカルのお散歩番組のレギュラーメンバーの一員をやらせていただきましたが、NHKに比べると制作費もささやかなもので、スタッフの数も限られ、NHKのような交渉力も無く……そんな中でも、出演者のキャラクターや知識を生かし、ひと味違う切り口を目指していました。
出演していて特に面白かったのは、出演者の興味や得意分野を生かす姿勢。こちらから、紹介したい場所を企画などが提案出来たのです。それをディレクターやプロデューサーが番組の形にする。
撮影は訪問先とだいたいのストーリーしか決まっていない状態で進められ、台本も無し。
自分の言葉で語り、訪問先ではインタビュアーも自分でやります。
15分番組で正味10分半のために、丸一日撮影し、撮影したビデオの5%ぐらいを厳選し編集され、ナレーションがつけられ、放送されます。

あの番組、あの時間帯のTV視聴者の6割位が見ていると言う、隠れた人気番組だったのだけれど、終了してしまったのは残念。
私の担当回が番組史上最高視聴率を取ったこともあるんですよ。
あんな企画がまたあったら、参加したいな。



Posted by 森本 at 11:25